FDM方式(熱溶解積層法)3Dプリンターで造形したCF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)の、曲げ特性と破壊挙動の微細構造形成メカニズムの研究成果について。 | INTAMSYS

FDM方式3Dプリンター用フィラメントCF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)の研究に関して、中国科学院宇宙応用センターは大きな研究成果を上げた

2019.05.21

中国:デジタルものづくり情報サイト「南極熊」の報道より

FDM方式(熱溶解積層法)3Dプリンターで造形したCF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)の、曲げ特性と破壊挙動の微細構造形成メカニズムの研究成果について。

中国科学院宇宙応用工学技術センターの研究チームは、INTAMSYS社製の高機能3Dプリンター「FUNMAT HT」を使用し、自らが開発したCF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)を研究し、とても興味深い研究成果を上げたと報告しました。

この研究は、国際的に有名なジャーナル「Polymers」に「Flexural Properties and Fracture Behavior of CF/PEEK in Orthogonal Building Orientation by FDM: Microstructure and Mechanism」というタイトルで公開されています。
執筆者は、博士課程の李秋実氏で、論文著者はアシスタント兼研究者の趙偉氏と王功氏です。

PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)は、機械的特性と耐薬品性に優れた熱可塑性ポリマーで、現在3Dプリンター業界に大きな影響を与えています。PEEKで造形された部品パーツは、宇宙衛星、航空産業、自動車部品、人体用インプラントなどの分野に応用されており、将来、他の分野にも導入される可能性がある材料です。
しかしながら、PEEKのほか非金属材料は、FDM方式3Dプリンターで造形するとZ軸の層間接着力が、X軸Y軸に比べて極めて弱く、用途が限られるというデメリットがあります。

趙偉氏と李秋実氏らは、CF(炭素繊維)を添加したフィラメントを、高機能3Dプリンター「FUNMAT HT」で出力し、Z軸の曲げ特性に対する影響を研究しました。結果、Z軸でも優れた機械的特性を持ち、146MPaの曲げ強度を得ました。
更に大きな成果として、従来の射出成形部品とほぼ同じ曲げ強度を得る事ができました。

プリント設定

名称 設定値
ノズル経 0.4mm
プリント温度 400℃
チャンバー温度 90℃
ベッド温度 160℃
プリント速度 15mm/s
積層ピッチ 0.1㎜
填充角度 +45°/-45°

図1.CF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)の造形プロセス

図2.炭素繊維の混合と印刷部品のZ軸方向曲げ特性の比較

研究者は、炭素繊維の添加が、造形物の剛性を向上させ、結晶性がより均一になることを見出したうえで、出力する方向によって造形物の微細構造と破壊モードに対する影響を分析しました。同時に、INTAMSYS社製3Dプリンターを使用し、出力方向とプリント設定を調整することにより、造形物は優れた機械的特性を持つほか、表面が滑らかになることも判明しました。

図3.「FUNMAT」3Dプリンターで造形したCF/PEEK複合材の脆性曲げ破壊断面のSEM(走査電子顕微鏡)

今回の研究では、複数の力に耐えられる造形物を作り上げる為に、普遍的な方法を取っています。これは混合成分、出力方向、微細構造などを調整すること実現できるもので、より大きな造形物を作成する際の指標となります。
更に、INTAMSYS社製3Dプリンター「FUNMAT HT」、スライスソフト「INTAMSUITE」を使用することにより、CF/PEEK複合材(炭素繊維強化PEEK)は、より高い適応性と機能性を持ち、PEEKは、耐高温の工業用部品、自動車、航空、宇宙産業以外の分野でも活用されることが期待できます。

中国デジタルものづくり情報サイト「南極熊」は、今回のPEEKのような複合材料による3Dプリンティング技術に、多くの製造業者が関わっていることに注目し、その優れた性能は多くのユーザーの関心を引き付けています。この明るい展望は、成熟したFDM方式 3Dプリンター業界に新たな活力を生み出してくれるかもしれません。

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/TZww8nlYuEbWTMhNIXaGUQ

2019-05-23T15:55:43+00:00